今回は、新基準において導入された会計手法の一つである、「リース会計」についてご説明します。
新基準では、ファイナンス・リース取引については売買処理をすることとなりました。ファイナンス・リース取引とは、「リース契約に基づくリース期間の中途において当該契約を解除することができないリース取引またはこれに準ずる取引で、借手が、当該契約に基づき使用する物件からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じるコストを実質的に負担することとなるリース取引」のことをいいます。上記に該当するリース物件は、法的に所有権はなくとも、経済的実質としては資金借入をして物件を購入して使用していると捉えられることから、貸借対照表に計上すべきとの考え方により、新基準においては賃貸借処理ではなく売買処理されることとなっています。
新基準移行時の調整は、以下(1)~(3)のいずれかによることとなっています。
- (1)会計基準移行年度期首までの減価償却累計額をリース料総額(現在価値へ割引後)から控除した金額をリース資産に、未経過リース料相当額(利息相当額控除後)をリース債務に計上する方法。なお、リース資産とリース債務の計上金額の差額は、過年度の収益又は費用として調整する。
- (2)会計基準移行年度における未経過リース料残高相当額(利息相当額控除後)を取得価額とし、会計基準移行年度期首に取得したものとしてリース資産、リース債務を計上する方法。この場合、会計基準適用後の残存期間における利息相当額については、利息法によらず、利息相当額の総額をリース期間中の各期に定額で配分することができる。
- (3)リース取引開始日が会計基準移行年度前の所有権移転外ファイナンス・リース取引で従来賃貸借処理を行っていたものについては、当該リース契約が終了するまでの期間、引き続き賃貸借処理を行う方法。
今回は、新基準において導入された会計手法の一つである、「金融商品の時価会計」についてご説明します。
新基準では、満期保有目的の債券等以外の有価証券のうち市場価格のあるものについては、時価で評価することとされました。また、満期保有目的の債券に関しては通常は取得価額で評価しますが、債券金額より低い価額又は高い価額で取得した場合において、取得価額と債券金額との差額の性格が金利の調整と認められるときは、償却原価法に基づいて算定された価額をもって貸借対照表価額とすることとされています。
新基準移行時の処理方法は、新基準移行年度期首に所有する有価証券のうち、時価評価を適用するものは、前年度末の帳簿残高と前年度末の時価との差額を「過年度の収益又は費用」等として調整し、償却原価法を適用するものは、移行年度期首の帳簿価額と取得時から償却原価法を適用した場合の移行年度期首の帳簿価額との差額を「過年度の収益又は費用」等として調整します。
今回は、新基準において新たに加えられた注記事項の一つである「関連当事者との取引内容」についてご説明します。
そもそも、企業会計においては、5年以上前から関連当事者に関する注記が義務付けられています。これは、関連当事者と会社との取引が必ずしも対等な立場で行われているとは限らず、会社の財政状態や経営成績に影響を及ぼすことが考えられるため、当該影響を財務諸表利用者が把握できるようにするため開示するものとなっています。
社会福祉法人においても、法人経営の透明性を高めるという趣旨から、当該注記が規定されたものと考えられます。
具体的な関連当事者の範囲や関連当事者取引の開示対象範囲は、以下のようになっています。
1.関連当事者の範囲
(1)役員(理事・監事のうち有給常勤役員に限定)及びその近親者(3親等内の親族及びこの者と特別の関係にある者)
注)特別の関係にある者の例示
- i)当該役員とまだ婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻と同様の事情にある者
- ii)当該役員から受ける金銭その他の財産によって生計を維持している者
- iii)i)又はii)の親族で、これらの者と生計を一にしている者
(2)(1)の者が議決権の過半数を有している法人
2.関連当事者取引の開示対象範囲
事業活動計算書項目及び貸借対照表項目のいずれに係る取引についても、年間1,000万円を超える取引については全て開示対象となっています。