日本公認会計士協会のサイトにて、「社会福祉法人の計算書類に関する監査上の取扱い及び監査報告書の文例」の草案が公開されています。広く意見を求め、改善・見直しを目的とした公開です。
詳しくは下記の日本公認会計士協会のページをご覧下さい。
平成28年12月14日に、厚生労働省から「社会福祉充実計画」に関連し、
「社会福祉充実計画の承認等に係る事務処理基準(案)についての更新」が公表されました。
「社会福祉充実残額算定シート(案)」及び「社会福祉充実残額算定シート(案)記載要領」も公表されておりますので、
併せてご確認ください。
【厚生労働省「社会福祉法人制度改革について」】
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000142657.html
【OAG監査法人「社会福祉充実計画 意見聴取による確認書」特設サイト】
https://www.oag-audit.or.jp/shafuku/plan/
平成28年11月11日に、厚生労働省から改正社会福祉法の来年4月施行分に係る政省令、関係通知、事務連絡等が公表されました。
下記に、主な政省令等とその概要をまとめておりますが、詳細につきましては、厚生労働省のホームページでご確認ください。
厚生労働省「社会福祉法人制度改革について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000142657.html
平成28年9月26日に厚生労働省で「第19回社会保障審議会(福祉部会)」が開催されました。
そして、同日に公表された部会資料によると、会計監査人の設置が義務化される社会福祉法人の規模基準について、現時点における案が示されましたようです。
確定情報は政令公布を待つことになりますが、概要は以下の通りです。
ただし、段階施行の具体的な時期及び基準については、平成29年度以降の会計監査の実施状況等を踏まえ、 必要に応じて見直しを検討する。
対象範囲の段階的な拡大は、一定規模以下の法人について、会計監査人の導入に向けた準備期間を十分に設け、制度を円滑的に導入し定着させることが狙いのようです。
当監査法人では、社会福祉法人様に向けて、会計監査導入のための内部統制構築支援や業務フローの評価改善業務も実施しておりますので、何なりとご相談ください。
平成23年改正社会福祉法人会計基準が、当年度(平成27年度)決算から強制適用となりました。社会福祉法人の担当者の皆様におかれましても対応が進んでおられることと思われます。
今回は、抑えておくべき留意事項をまとめています。
1.区分方法の変更
改正により、事業区分、拠点区分、サービス区分といった区分ごとに数字を集計することとなります。
2.注記の増加
改正により、注記事項が大幅に増えます。8項目程増加しますが、その中でも関連当事者との取引内容の注記は特に留意が必要です。
3.4号基本金の廃止
改正により他の基本金とは性格の異なる4号基本金が廃止されましたので、取崩しが必要となります。
4.新たな会計手法の導入
財政状態の透明性をより高めるため、企業会計に近い会計手法が導入されました。例えば、金融商品の時価会計、リース会計、退職給付会計、減損会計、税効果会計等です。
当年度が適用初年度の法人の皆様におかれましては、戸惑うこともあろうかと存じますが、以上の点にご留意頂き適正な財務諸表の作成を宜しくお願いいたします。
「OAG監査法人 社会福祉法人会計監査」
http://oag-audit.or.jp/shafuku/
平成27年4月3日に「社会福祉法等の一部を改正する法律案」が国会に提出されています。
この改正の理由として、以下のような状況があります。
- ・ 今日の人口減少社会の到来や独居高齢者の増加等による福祉ニーズの高まりにより、高い公益性と非営利性を備えた社会福祉法人の役割の重要性がますます増加している。
- ・ 経営組織の強化、情報開示の推進、内部留保の位置付けの明確化と福祉サービスへの投下など、社会福祉法人が備えるべき公益性・非営利性を徹底することが求められている。
今回の改正案では、経営組織の強化の観点から、一定規模以上の社会福祉法人に対しては会計監査人の設置が義務付けられています(改正案第37条)。すなわち、公認会計士又は監査法人による会計監査を受けることが必要となります。
ここで、一定規模以上とは、以下の要件のいずれかに該当する法人となる見込みです。
- ・ 収益(事業活動計算書におけるサービス活動収益)が10億円以上の法人
- ・ 負債(貸借対照表における負債)が20億円以上の法人
改正案が成立すると、平成29年4月1日から施行されますので、平成29年度の予算策定に向けて、平成28年度中には会計監査人設置に向けた準備を進めておかれる必要があるかと思われます。
「OAG監査法人 社会福祉法人会計監査」
http://oag-audit.or.jp/shafuku/
2015年2月12日に厚生労働省社会保障審議会福祉部会報告書が公表されました。
当該報告書は社会福祉法人制度の見直しについての最終の報告書という位置付けとなっています。
■報告書の方向性
社会福祉法人は社会福祉事業に係る福祉サービスの供給確保の中心的役割を担うものとし、「これまで以上に公益性の高い事業運営が求められ」、法人の在り方そのものを見直す(平成18年の公益法人制度改革の内容に近づける)こととし、以下の項目に重点をおいています。
- ・経営組織の強化
- ・情報開示の促進
- ・内部留保の位置づけの明確化と福祉サービスへの投下
- ・社会貢献活動の義務化
- ・行政による指導監督の強化
具体的には、以下のような項目が盛り込まれております。
- ・社会福祉法人の内部管理を強化するため、理事会や評議員会、役員等の役割、権限の明確化
- ・サービス活動収益 10億円以上もしくは負債 20億円以上の社会福祉法人には、公認会計士の会計監査が強制
- ・監査の対象とならない社会福祉法人についても公認会計士、税理士による財務会計に対する体制整備状況の点検等を指導
- ・役員報酬の総額や役員報酬基準の公開を法令上義務付け
- ・特別利害関係者との取引内容の開示(100万円以上)
- ・内部留保を明確にし、「再投下財産額」がある社会福祉法人に対し「再投下計画」の作成を義務付け、その書類については公認会計士又は税理士による確認
上記のような改正の方向性が示されたため、今後は改正に対応するため準備を整えていく必要がありますのでご留意ください。
今回は、1号基本金及び国庫補助金等特別積立金にかかる変更点についてご紹介いたします。
旧基準においては、10万円未満の初期調度物品等を1号基本金及び国庫補助金特別積立金から除外していた一方で、指導指針では含めているといった取扱いの違いがみられていました。
そうした適用する基準による差異を解消し、実態に即した計算及び表示とするため、新基準においては、基本金及び国庫補助金等特別積立金の設定時において固定資産以外も計上できるように変更し、処理方法の統一が図られています。
新社会福祉法人会計基準について(その6)でご紹介した4号基本金の廃止ほどの大きな変更ではありませんが、留意が必要です。
今回は、新基準において導入された会計手法の一つである、「リース会計」についてご説明します。
新基準では、ファイナンス・リース取引については売買処理をすることとなりました。ファイナンス・リース取引とは、「リース契約に基づくリース期間の中途において当該契約を解除することができないリース取引またはこれに準ずる取引で、借手が、当該契約に基づき使用する物件からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じるコストを実質的に負担することとなるリース取引」のことをいいます。上記に該当するリース物件は、法的に所有権はなくとも、経済的実質としては資金借入をして物件を購入して使用していると捉えられることから、貸借対照表に計上すべきとの考え方により、新基準においては賃貸借処理ではなく売買処理されることとなっています。
新基準移行時の調整は、以下(1)~(3)のいずれかによることとなっています。
- (1)会計基準移行年度期首までの減価償却累計額をリース料総額(現在価値へ割引後)から控除した金額をリース資産に、未経過リース料相当額(利息相当額控除後)をリース債務に計上する方法。なお、リース資産とリース債務の計上金額の差額は、過年度の収益又は費用として調整する。
- (2)会計基準移行年度における未経過リース料残高相当額(利息相当額控除後)を取得価額とし、会計基準移行年度期首に取得したものとしてリース資産、リース債務を計上する方法。この場合、会計基準適用後の残存期間における利息相当額については、利息法によらず、利息相当額の総額をリース期間中の各期に定額で配分することができる。
- (3)リース取引開始日が会計基準移行年度前の所有権移転外ファイナンス・リース取引で従来賃貸借処理を行っていたものについては、当該リース契約が終了するまでの期間、引き続き賃貸借処理を行う方法。
今回は、新基準において導入された会計手法の一つである、「金融商品の時価会計」についてご説明します。
新基準では、満期保有目的の債券等以外の有価証券のうち市場価格のあるものについては、時価で評価することとされました。また、満期保有目的の債券に関しては通常は取得価額で評価しますが、債券金額より低い価額又は高い価額で取得した場合において、取得価額と債券金額との差額の性格が金利の調整と認められるときは、償却原価法に基づいて算定された価額をもって貸借対照表価額とすることとされています。
新基準移行時の処理方法は、新基準移行年度期首に所有する有価証券のうち、時価評価を適用するものは、前年度末の帳簿残高と前年度末の時価との差額を「過年度の収益又は費用」等として調整し、償却原価法を適用するものは、移行年度期首の帳簿価額と取得時から償却原価法を適用した場合の移行年度期首の帳簿価額との差額を「過年度の収益又は費用」等として調整します。