平成26年1月20日に施行された「産業競争力強化法(平成25年法律第98号)」において、「日本再興戦略」(平成25年6月14日閣議決定)に盛り込まれた施策を確実に実行するため、事業の発展段階に合わせた様々な支援措置が講じられました。

上記支援措置の一つである「生産性向上設備投資促進税制」では、一定の要件を満たした「先端設備(A類型)」や「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備(B類型)」を事業者が取得し、事業の用に供した場合には、即時償却又は税額控除を受けることができることとされております。

B類型において当該税制措置を受けるに当たっては、投資の目的を達成するために必要不可欠な設備か否か等について、経済産業省経済産業局の確認を受けることが求められており、経済産業局の確認を受ける際の申請書の添付書類として、公認会計士又は税理士の事前確認書(手続実施結果報告書)の添付が求められております。

上記の申請及び公認会計士又は税理士の事前確認に関して、経済産業省のウェブサイトにおいて、様式1:事業者の申請書、様式2:公認会計士又は税理士による事前確認書(手続実施結果報告書)等が公表されていますので、詳しくは以下のURLをご参照ください。
http://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/seisanseikojo.html

平成25年12月5日に、日本商工会議所と一般社団法人全国銀行協会を事務局とする「経営者保証に関するガイドライン研究会」より「経営者保証に関するガイドライン」が公表されました。このガイドラインは、中小企業・小規模事業者等の経営者の皆様による個人保証の契約時と履行時等における課題の解決策を具体化したものとなっています。
今回は、当ガイドラインの概要を端的にご説明します。

まず、経営者保証を契約する時点における対応として、金融機関は以下の(1)~(4)の全部または一部を満たす中小企業に対して、要件の充足度合に応じて経営者保証を求めないことや保証機能の代替手法の活用を検討することとされています。

次に、事業承継時の対応として、金融機関は前経営者の保証債務を、後継者に当然に引き継がせるのではなく、後継者との保証契約の必要性を改めて検討することとされています。

最後に、経営者保証が履行される時点における対応として、保証履行後も保証人の手元に残る資産等を拡充するよう検討されています。具体的には以下の(1)~(4)のような対応となっています。

当ガイドラインの詳細につきましては、下記URL(日本商工会議所のウェブサイト)をご参照ください。
http://www.jcci.or.jp/news/jcci-news/2013/1205140000.html

今回は、新社会福祉法人会計基準における区分方法の変更について概説します。

まず、前回のエントリーで記載致しましたとおり、新基準は社会福祉法人の営む全ての事業に適用されます。そこで、社会福祉法人の営む事業を社会福祉事業、公益事業及び収益事業の3区分に分けて集計することとなりました。例えば、介護老人福祉施設は社会福祉事業、有料老人ホームは公益事業、駐車場事業は収益事業となります。これにより、性質の異なる各事業の財務状況が把握できることとなります。

次に、各事業区分を「一体として運営される施設、事業所及び事務所」毎に区分して集計します。これを拠点区分といいます。これにより各拠点の財務状況が把握できることとなります。
さらに、各拠点区分で提供するサービス、例えば、介護老人福祉施設、通所介護、短期入所生活介護等のサービス毎に区分して集計します。これをサービス区分といいます。これにより各拠点におけるサービス毎の財務状況が把握できることとなります。

以上が新基準の区分方法となります。新基準の目的の一つである、法人全体の財務状況を明らかにし、経営分析を可能とするとともに、外部への情報公開に資するものとするという観点から、上記のような区分方法は有用と考えられます。

今回は、新社会福祉法人会計基準が制定された背景について概説します。

まず、従来の社会福祉法人の会計を取巻く状況は、その営む事業に応じて会計ルールが異なるなど、会計ルールが併存しており事務処理の煩雑さ、計算結果が異なる等の問題が指摘されていました。新基準では、これらの問題を解消するため社会福祉法人の営む事業に横断的に適用される統一的な基準となっています。

また、社会経済状況の変化に伴い、社会福祉法人にも一層の効率的な法人経営がなされること、また公的資金や寄附金等を受け入れていることから、事業の効率性に関する情報の充実や事業活動状況の透明化が求められています。新基準はこれらの社会要請に応えるため、上場会社に適用されるような企業会計の考え方も参考とされ、法人全体の財務状況を明らかにし、経営分析が可能になるなど、外部への情報公開も勘案されたものとなっています。

以上のことから、旧基準から新基準への移行作業には少々手間がかかると思われますが、新基準への移行完了後は、会計処理が簡素化され、さらに有用な情報が充実するものと考えられます。

厳しい経営環境の中、日々邁進しておられる中小企業の皆様の支援を目的とした制度として、平成24年8月に施行された「中小企業経営力強化支援法」に基づく「経営革新等支援機関」というものがあります。

経営革新等支援機関は、中小企業が安心して経営相談等を受けられるために専門知識や実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定することで公的な支援機関として位置づけられています。

再生が必要な中小企業の皆様、新たに起業や海外展開を行いたい中小企業の皆様には、経営革新等支援機関を利用することで、資金面、税制上のメリットや技術開発の支援が受けられる可能性があるというメリットがあります。

当法人も経営革新等支援機関の認定を受けており、中小企業の皆様の発展に貢献することができる体制を整えております。

経営革新等支援機関に関する詳細は下記リンク先(中小企業庁ウェブサイト)をご参照ください。
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/

近年、日本社会の高齢化が留まることなく進んでいる中、社会福祉法人の果たす役割は確実に増してきています。

社会福祉法人の社会的重要性が増大する中、社会福祉法人に適用される会計基準が平成23年7月に改正されました。新基準の適用は、平成24年4月1日からとなっていますが、実務上の準備期間を考慮に入れて平成27年3月31日(平成26年度決算)までは従来の会計処理によることができることとされています。

とはいえ、平成27年度予算については新基準で作成する必要がある事から新基準移行に向けての準備は現段階から確実に進めておく必要があると考えられます。

これから、数回に分けて新社会福祉法人会計基準についてその目的や変更点、実務上の留意点などを記載していきます。

「中小企業経営力強化支援法について」平成24年8月30日より「中小企業の海外における商品の需要の開拓の促進等のための中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律等の一部を改正する法律(中小企業経営力強化支援法)」が施行されています。
その措置は、
(1)中小企業の支援事業を行うものを認定し、その活動を後押しするための措置
(2)中小企業の海外展開を促進するため、中小企業の海外子会社の資金調達を円滑化するため措置
の2つです。

(1)については財務及び会計等の専門知識を有する者(金融機関、税理士等)の支援事業を通じて、課題解決の事業計画の策定等を行い、経営力を強化することを目的とするものです。平成25年3月で終了する金融円滑化法後を睨んでのものと思われます。したがって、平成25年4月以降は「課題解決の事業計画の策定等」が金融機関の支援の前提となる可能性がありますので、その対応準備が必要と思われます。

(2)については承認等を受けた計画により事業を行う中小企業者に対して、中小企業の外国関係法人の海外現地金融機関からの資金調達を支援すること等を目的とするものです。関連する事業展開を検討中の中小企業の方は一度検討してみる価値があると思います。

(制度の詳細は中小企業庁のHPをご覧ください)

公益社団法人日本監査役協会及び日本公認会計士協会は、最近の一連の不祥事を受け「企業統治の一層の充実へ向けた対応について」と題する共同声明を行いました。(2012年3月29日)
http://www.hp.jicpa.or.jp/ippan/jicpa_pr/news/files/3-0-0-2-20120329.pdf

監査実務の現場におきましても、今後はより一層の監査法人と監査役とのコミュニケーションの緊密化が求められると思われます。

日本公認会計士協会より、最近の新聞等で報道されている投資顧問会社と投資一任契約を結んだ年金基金に関する年金資産の消失事案を契機として、監査及び会計の専門家として、監査業務等を通じて再発防止に寄与できるような方策について検討を行い、以下の提言がなされました。

年金資産を取り巻く様々な財務報告(決算報告)が、透明性をもって信頼がおけるものとするために、公認会計士等による監査が一層活用されることが望まれます。それはまた、企業年金関係者の受託者責任の遂行と加入者等の保護にも資するものと考えます。

金融庁「金融資本市場及び金融産業の活性化等のためのアクションプラン」に掲げられた、我が国新興市場等の信頼性回復・活性化策の内容の具体化に向けた取組みとして、平成23年2月に金融庁、証券取引所、日本証券業協会、日本公認会計士協会による「新興市場等の信頼性回復・活性化策に係る協議会」が設置されました。
当協議会より新規上場のための事前準備ガイドブック「上場を目指そうとしている皆さまへー会計監査を受ける前に準備しておきたいポイントー」(B5版)が作成されました。

本ガイドブックにつきましては、下記からダウンロードできますので、上場を目指されている会社様は是非参考にして頂ければ良いかと思われます。
120409_JICPA-IPOGuideBook_finish2.pdf