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2026.02.23

【連載コラムVol.2】赤字からのV字回復!事例から学ぶ社会福祉法人の経営改善策~業務と経営の「見える化」~

社会福祉法人の経営層・実務担当者の皆様に向けて、組織を守り、強くするためのコラムを全5回にわたってお届けしております。
第2回となる今回のテーマは、経営改善の鍵となる「見える化」です。 実際に赤字経営から脱却し、V字回復を果たした法人の事例をもとに、なぜ「見える化」が必要なのか、それをどう具体的なアクションに落とし込んだのかを解説致します。
自法人の経営改善のヒントがないか、確認しながらお読みください。

■「実態の見えない経営」からの脱却

一般的に、社会福祉法人は「安定した事業」というイメージを持たれがちですが、実際には人件費の高騰や利用者減少、制度改正の影響で赤字に陥るケースも少なくありません。
ある法人では、特別養護老人ホームとデイサービスを運営していましたが、稼働率の低下と管理体制の甘さから慢性的な赤字が続いていました。しかし、理事会主導で断行した「3つの見える化」により、劇的な改善を果たしました。

1.業務量の見える化(人員配置の適正化) まず、事業所ごとの収支と業務量を整理し、赤字の原因を分析しました。そのデータに基づき、感覚的なシフト作成をやめ、業務量に応じた人員配置へと見直しました。 ポイントは、現場に負担を強いる「無理な人員削減」ではなく、無駄をなくし必要な場所に人を厚くする「最適化」を行った点です。これにより、サービスの質を落とさずにコストを適正化できました。

2.加算取得状況の見える化(収益の最大化) 次に、各事業所の担当者任せにしていた「加算」の取得状況を本部で一括管理(見える化)しました。すると、要件を満たしているのに請求漏れとなっていた「処遇改善加算」や「機能訓練加算」が判明。これらを適正に請求することで、着実な収益アップに繋がりました。

3.稼働状況の見える化(連携の強化) さらに、空床数や利用者数の推移を可視化しました。「受け入れ余地」が明確になったことで、地域包括支援センターや医療機関へのタイムリーな営業活動が可能となり、結果として利用者数が回復しました。

■数字は嘘をつかない

この法人は、これらの取り組みによりわずか2年で赤字を解消し、現在は安定した黒字基調に転じています。

成功の鍵は、特別な魔法やノウハウではありません。「数字を正しく把握(見える化)し、組織全体で改善に取り組む姿勢」にあります。社会福祉法人であっても、こうしたシビアな経営の視点こそが、法人と職員を守る力になるのです。