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2026.01.26

【連載コラムVol.1】事例から学ぶ社会福祉法人の会計不正防止策~「横領」はなぜ起きるのか?~

社会福祉法人の経営層・実務担当者の皆様に向けて、組織を守るための「内部統制」に関するコラムを全5回にわたってお届けします。
第1回となる今回は、「会計不正と内部統制整備の重要性」です。実際に起きた従業員による横領の事例をもとに、なぜ不正が起きてしまったのか、そしてそれを未然に防ぐためのチェックポイントを解説します。
自法人の体制に隙がないか、確認しながらお読みください。

■会計不正と内部統制の重要性

社会福祉法人は、地域の福祉を支える公共性の高い存在であり、その運営には極めて高い信頼性が求められます。この信頼を守り、不正やミスを防ぐための仕組みが「内部統制」です。
実際に問題となった事例の一つに、職員による「横領」があります。
例えば、信頼していた経理担当者が長年同じ業務を一人で担当(属人化)していたケースです。現金管理や振込手続きを誰にも確認されないまま行っていた結果、長期間にわたり法人の口座から私的に資金を引き出していました。また、利用者から預かる金銭や立替金を帳簿に正しく記録せず、少額ずつ着服していた事例も報告されています。

これらは、決して「特定の悪い人」だけの問題ではありません。「魔が差す隙」を作ってしまったチェック体制の不備、つまり内部統制が機能していなかったことが大きな原因です。
こうした悲劇を防ぐポイントとして、以下の徹底が挙げられます。

・現金や預金を一人だけに管理させないこと(担当者のローテーションや分担)
・支払いや残高確認は、必ず複数人で行うこと(ダブルチェック)
・定期的に帳簿と実際の現金・預金残高を照合すること

さらに、理事会による監督、監事監査、外部専門家による点検に加え、「何かおかしい」と感じたときに職員が迷わず声を上げられる風通しの良い環境づくりも欠かせません。
内部統制は、職員を疑うための仕組みではありません。法人と、そこで働く職員、そして地域の信頼を守るための大切な「防波堤」なのです。